ファイナルファンタジーのサントラは1988年に初めて発売された「ファイナルファンタジーI・II 全曲集」から2022年までに100種類近くのサントラが発売されております。
ゲームの曲を収録した「オリジナルサウンドトラック」、オリジナル曲をアレンジした「ピアノコレクション」や「ジャズアレンジ」などなど、様々なサントラが発売されております。
その数多くが発売されたファイナルファンタジーのサントラの中で、植松伸夫氏がアルバムの出来に満足せずに、発売を中止したかったサントラがあります。
今回はそのサントラ「FINAL FANTASY VI GRAND FINALE」をご紹介します
FF6のベスト曲をオーケストラアレンジしたアルバム
「FINAL FANTASY VI GRAND FINALE」はファイナルファンタジー6の曲から11曲を選び、フルオーケストラで演奏されたアルバムとなります。
発売日は1994年5月25日発売、NTT出版から発売、表紙は天野喜孝氏が手がけられております。
このアルバムには、ファイナルファンタジー6を代表する曲「アリア」がオーケストラアレンジ・実際のオペラ歌手が唄っている曲が収録されております。
ゲーム内でもサンプリング音声で表現されたオペラが実際に聴けるのはこのアルバムが初めてとなります。
後に、ファイナルファンタジーオーケストラコンサートではフルバージョンが収録されております。
オーケストラを演奏しているのは「スカラ座弦楽アンサンブル」と「ミラノ交響楽団」、全曲ミラノでレコーディングされたそうです。
編曲にはエヴァンゲリオンやシン・ゴジラなどの作曲でおなじみの「鷺巣詩郎」氏と様々なドラマ曲やCM曲を作曲されている「斉藤恒芳」氏が担当されており、
非常に豪華でありかつ大規模なアレンジアルバムとなっております。
植松伸夫氏が満足しなかった理由
この「FINAL FANTASY VI GRAND FINALE」のCDに付属しているライナーノーツで、植松伸夫氏がこのアルバムの出来に満足されていないことが記載されております。
その理由として、指揮者が本番の段階で不調を訴え、また楽団も指揮者に対する不信を訴え。急遽代理の指揮者が指揮を行ったが、演奏者のやる気がなく、満足した演奏にならなかった。
曲のアレンジも原曲のイメージとかけ離れたのも大きな理由の一つとも書かれています。
植松氏はこのアルバムを発売したくなかったが、中止には出来ず、ライナーノーツに今後の自戒の意味をこめて発売したと記載されております。
このような発売されたアルバムに対して、不満を記載しているファイナルファンタジーのアルバムは後にも先にもこのアルバムだけだと思われます。
収録曲は全11曲
そんな経緯で発売された「FINAL FANTASY VI GRAND FINALE」は全11曲が収録されております。
植松伸夫氏が書かれているように「Gau」や「Kids Run Through The City Corner」の曲はちょっと違和感を感じるかと思います。
このアルバムの目玉である「Aria Di Mezzo Carattere」の一部分はプレイステーション版「ファイナルファンタジー6」のオープニングムービーに使用されております。
収録曲一覧
- Opening Theme〜Tina
- Cefca
- The Mystic Forest
- Gau
- Milan de Chocobo
- Troops March On
- Kids Run Through The City Corner
- Blackjack
- Relm
- Mistery Train
- Aria Di Mezzo Carattere
転換期になったサントラ
このサントラ「FINAL FANTASY VI GRAND FINALE」以降、アレンジや演奏者を他人に任せきりにしないと自戒した通り、このアルバム以降、アレンジや演奏者の選択まで植松伸夫氏が関わっているのだと推測されます。
ファイナルファンタジ-7以降のアレンジアルバムの完成度や、ファイナルファンタジ-8以降の主題歌を唄われる方の選定などを見ると特にそう思います。
様々な意見があるこのサントラ「FINAL FANTASY VI GRAND FINALE」ですが、アルバム自体素晴らしく、こういうアレンジもあるんだなと思えてきたりします。
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